
なぜ「おっぱいマッサージ」をするの?
おっぱいマッサージとは、主に乳頭のマッサージ。
母乳の出をよくし、赤ちゃんが吸い付きやすくするなど、スムーズに授乳できるようになります。
また、乳頭マッサージをすることで、乳頭の皮膚が刺激に対して強くなるため、乳頭亀裂や水疱などのトラブルが起きにくいとされています。
胎盤ができ安定期になった妊娠20週頃からのセルフケアとして、病院で指導することが多いようです。
しかし、実際はなかなか重要性が伝わらないのが現状。
「必要ないでしょう」
「おっぱいで苦労しないでしょう?赤ちゃんは飲めるものじゃないの?」
「仕事で疲れて面倒」と思っていませんか?
赤ちゃんの能力としては、産後直ぐにおっぱいを探し、咥え、吸いつく能力はありますが、赤ちゃんだけ努力しても意味がありません。
お母さん側の準備として、飲ませやすい乳輪・乳頭であるかどうかが問題なのです。
乳頭について
乳頭の先には、15〜20本の乳汁の出口がありますが、これら全てが開くわけではありません。
しかし、沢山の出口から乳汁が出ていく方が、授乳時間も短時間で済みますし、赤ちゃんも満足できます。
必要がないと、さほど乳頭ケアはしないと思いますが、日々人の体は汗や皮脂が分泌されます。
体の垢が長年蓄積され、乳口にも溜まっているので、取り除くお掃除が必要です。
また、乳頭をケアしやすく、そして傷つかないように保湿も必要となります。
おっぱいのための大切な準備
いざ授乳開始!となった時に、すんなり母乳の通り道が通行できた方が良いですよね?
乳首が短い「短乳頭」、乳首が突出していない「陥没乳頭」「扁平乳頭」、その他にも「小乳頭」というものがありますが、しっかりセルフケアを時間かけて行い、授乳に備えておけば直接授乳ができます。
保護器のデメリット
現代では、授乳に「乳頭保護器」を使うお母さんが増えているようです。
授乳の際にお母さんの乳首にかぶせて使うカバーのようなもので、別名、ニップシールドと呼ばれます。

乳首の傷が痛い時、吸着不良の時にすすめられますが、最初から保護器を使う授乳を行うと、なかなか赤ちゃんも直接おっぱいに吸い付けなくなります。
赤ちゃんには「探索行為」が必要です。
自分からおっぱいを探し舌をしっかり下げて乳首を含むことを覚えなければいけません。
しかし、最初から形作られた保護器や哺乳瓶の乳首は、簡単に自動的に口腔内に入ってきます。
赤ちゃんは、探す必要もなく、ただ入ってきたものを吸えばいいというわけです。
一度で、そうなる訳ではありませんが、赤ちゃんが習得し、根付いた行動を変えるのは結構大変です。
その多くの原因は、人口の乳首に慣れた赤ちゃんに、おっぱいを直接含ませようとした時、反り返って拒否し、泣いてしまうからです。
お母さんも含め家族が、赤ちゃんが泣くことに耐えれず、心身共に疲弊したり「可愛そう、そこまでしてしなくても…」という気持ちが出てきます。
また、赤ちゃんにとっては必要な訓練でも、泣く我が子を見ると「出ないおっぱいでごめんなさい」と罪悪感が生じ、お母さんの気持ちが沈んでしまいます。
そして、保護器なしで授乳できなくなってしまうのです。

赤ちゃんが授乳保護器を嫌がる
赤ちゃんの授乳時にスムーズな授乳ができる「乳頭保護器」ですが、次第に赤ちゃんがこれまで使っていた保護器を嫌がったりして、おっぱいを飲ませられなくなるケースも多くあります。
結果、おっぱいを絞って、ミルクを飲ませるような大変な授乳になるのです。
自己搾乳はとても時間がかかるし、自分で両方1時間かけて絞っても50ml位しか絞れないこともあります。
また、搾乳機を購入し、搾乳機で無理やり圧をかけて絞れば、乳頭が割れたり切れるケースもあります。そして、手前の方しか圧がかからないので、圧が十分奥まで届かず母乳が残留してしまうこともあるのです。
こういった悲しい授乳にならないためにも、直接赤ちゃんがおっぱいに吸い付く「直接授乳」ができるように、お母さんも準備が必要なのです。

おっぱいマッサージは妊娠前から
産婦人科によっては、37週になってからのセルフケアを言われることもある様ですが、乳頭の管理が必要な方は間に合いません。
また、37週で出産になることもあります。
そうなると、短期間では期待できるほどの結果は出せないことが多く、授乳時に乳頭トラブルを起こす可能性が高くなります。
痛い、悲しい授乳にならないように、妊娠前からのセルフケアをおすすめします。
そして、大切なのは乳頭ばかりではなく、乳輪から柔らかくしっかり伸びるおっぱいを作ることです。
乳輪・乳頭のケアの指導は、切迫流早産の診断を受けたり可能性がある方には、状況によっては積極的にはおすすめはしていませんが、可能なケアの仕方もあります。
ぜひ、早めにご自身にあったケアの仕方を助産師や産婦人科の専門医にご相談ください。
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