
近年、少子化は日本社会が直面する最も深刻な課題の一つです。
合計特殊出生率は1.2となり、過去最低を更新。2023年に生まれた赤ちゃんは72万7277人で、こちらも過去最少の数字です。
一方で親の都合で亡くなる命も存在します。また、児童虐待や里親委託など、家庭で暮らせない子どもたちも約4万2000人存在します。
そして、小中学校の不登校児童数は299,048人(2023年)と前年より22.1%増加し、深刻な状況を示しています。
一生懸命誕生してくれた赤ちゃんたちを、そして現在成長過程にある子どもたちを大事に育てていきたいと感じます。

不安を抱えるお母さんたち
訪問ケアをしていると、「不安で、不安で。」と話すお母さんによく出会います。
聞けば、よくネット検索をして不安なことについて調べているけれども、不安が全く解消されないというのです。
里帰り出産で実家に帰省し、祖母が色々話をしてくれているようですが、それでも母親の不安は解消されず、訪問ケアで対応する中で、ようやく理解・納得され笑顔が戻ってこられることがあります。
SNSには育児情報が満載ですね。しかし、その内容は教科書に書いてあることをそのまま語るものがほとんどで、一辺倒なものばかり。
中には、「赤ちゃんは勝手に寝るもの。抱き癖付けないように、なるべく抱っこしないで。抱っこしなくてもちゃんと寝てくれます。」という極端な動画もあります。
ネット上には育児に関する情報が溢れていますが、信憑性に欠けます。
情報があるのはありがたいことなのですが、正解を求めるあまりに我が子の状況が当てはまらなければ、かえって不安を助長させてしまうことも少なくありません。

一人ひとりの成長を尊重した育児を
忘れてはいけないのは
「一人ひとり成長は違う。兄弟姉妹だって性格は違う」
「赤ちゃんは、ちゃんと意志を持っている」ということです。
また、不安がる母親がダメというわけではありません。
この「心配する」ということは自然なことで、大切な愛情行動の一つです。
大事な我が子が、無事に成長しているか、何の病気にかかっているか、その対処法はどうしたらいいかと行動へ移すのも母親として成長をしている証拠といえるのです。
父親の育児参加
近年は少子化で、兄弟・姉妹数も減少し、近所で赤ちゃんや幼児に触れる機会は激減しました。
また、自身の子育ての再現や迷信・伝統ではなく、本当に正しい知識を教えてくれるキーパーソンが家族内や近所にいないこともあります。
そして、男性の育児参加が推奨されていますが、育児への意識が低いといえます。
国際比較しても、日本人男性の家事育児関連時間(一日平均)は34分、育児のみの時間は49分。
フランス人男性も育児のみの時間は40分ですが、家事育児関連時間は1時間50分です。
仕事の帰宅が遅い云々ではなく、そもそも男性が乳幼児との関わり方が苦手、関わり方が全く分からない、もしくは子が生まれた後に夫が感じる疎外感も原因であると感じます。
これによって、母親の育児不安・疲れ・ワンオペ育児は増える一方です。
誰でも最初は、恥ずかしさや照れがありますが、人を育てる過程では情緒的な親子の関わりが大切です。極論、栄養を与えれば勝手に人は成長しますが、絶対情緒は育たないのです。

一緒に考え、寄り添う育児支援
自分たちだけで悩まず、助産師に相談されることをおすすめします。
できれば、子育て経験のある方が、より必要なアドバイスができるかと思います。
『きつき助産院』は、押し付けアドバイスではなく、どういう方法なら相談者の生活に取り込めるか、一緒に考えていきますのでぜひご相談ください。
大切な子ども達の育児を、一緒に応援させていただきたいと思います。
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